どうも!GW辺りからブログをはてなブログに移行して再始動することになりました!
今回はとある土曜日にspookiesの有志で琵琶湖を一周した話です。
・・・行ったのはGW一週間前なのは内緒の話。
ブログをサボりまくった僕こと寺師がお送りします。
さて、なぜそんな突飛なことをし始めたかというと、実は僕にもよくわかってません。
金髪プログラマーKさんがロードバイクを買ったことをきっかけに、
山登りマニアの高野さんが提案して始まったそうです。
僕(寺師)はその二人に誘われ、新入生歓迎会みたいなものかな?と軽い気持ちで乗ってしまったわけです。
乗ってしまったわけです…
琵琶湖一周の朝は早い。なんと朝6時集合です。
前日に決めた時には、何を言ってるんだ高野さんそんな時間じゃ誰も来るわけないじゃないか。と思いましたが、なんだかんだ集まり出発。
三人とも《どうせ誰も来なくてお流れになって、「あーあ自分はやる気だったのになぁ。二人とも来ないからぁ。あーあー」って言ってやろう》と思っていたに違いありません。
少なくとも、僕はそう思ってました。
こちら集合場所である京都駅の写真。朝日が眩しい。
ちなみにKさんと僕(寺師)がロードバイクで、高野さんだけ変速無しママチャリで集合しました。
ガチンコのチャリンコです。どこかでロードバイクを借りると言ってましたが、生憎そんな早くからレンタルショップがやっているはずもなく、そのまま参加。
前日に時間を決める辺り、準備は万端とは言い難いわけで、出発10分後には迷う一行。
度々立ち止まってはナビタイム。
この時点で何故か高野さんのスマホが電池残量15%未満。僕のスマホも20%。
準備万端過ぎますね。
はぐれたらどうする気なのでしょうか。
出発して一時間後、山登り開始。
京都から滋賀へ抜けるには必ず山越えをしなければならないのです。
きついけどがんばるぞー!!とか言える距離と角度ではなく、常時苦しい顔で登り切ります。
Kさんと僕はギアを軽くした上で苦しむ中、変速無しママチャリなのに平気な顔で達成した高野さんの体力に脱帽です。
山を登りきり達成感に包まれましたが、同時に帰りも同じ道を逆走しなければならないのか、という不安がよぎります。
登りも長ければ下りも長い訳で、せっかく溜めた位置エネルギーを順調に無駄にしつつ下りきると、すぐに琵琶湖が出現。
早速琵琶湖の見える公園で記念撮影。自転車が写っているのがこれしかなかった!
左からマスクの僕、はしゃぐ高野さん、疲れ切ったKさんです。
背景に写る陸は半周した頃に通る対岸だと思っていたのですが、琵琶湖の端っこも端っこらしいということを聞いて愕然としました。
あっちが半周ぐらいしたら通るところ、と言われた方角には陸は見えません。
琵琶湖はそれぐらい広いのです。わぁい知らなかった。
認識が甘かったことを思い知った僕とKさんは、山越えと記念撮影も無事終わったことだしもう帰ろう、と言い出しますが、何故かママチャリ高野さんはやる気満々。
何故そんなに元気なのか、至って謎です。
なんだかんだ雄大な琵琶湖に癒されながら公園でたっぷり30分ほど休みました。
書いている今ではもう琵琶湖を見るのも嫌ですが、このときばかりは自然っていいなぁと感じました。
こうしてようやく琵琶湖の南端を出発。このとき8時半。
しかし走り出してしまえばそこはもう湖岸な訳で、スイスイ進みます。
サイクリングには最適な場所のようです。
ただ一つ誤算があるとしたら、大した起伏も無く走りやすいのだろうと思っていた道にはアーチ状の橋がたくさんあり、無駄に体力を削っていくということでした。
川がたくさん流れ込むもんね…
ロードバイクのサドルとは硬いもので、めちゃくちゃお尻に食い込みます。
このままでは痔になるのではないか、と不安になったので、できるだけ衝撃の少ない場所を選んで走るよう心がけます。
準備不足この上ないくせに、ネットで仕入れた「休憩はこまめに取りましょう」という言葉を忠実に守り、ちょっと進んでは休憩を繰り返しているとすぐにお昼の時間に。
美味しい昼食を食べに行こうということになり、琵琶湖からちょっと離れて市街地へ。
近江八幡で有名なステーキのお店に入り、Kさんと僕は2500円のステーキを。
そして高野さんは4000円の近江牛を。琵琶湖一周を満喫してらっしゃいます。ママチャリのくせに!
悲報 集合から7時間経過、まだ一周の六分の一も進んでおりません。
琵琶湖の図解がこちら。
記念写真を撮ったのがA(8時半)で、昼食がB(13時)。
どう見ても一周一日無理ではないか、とご飯を食べながら薄々感じてました。
僕やKさんは流石に一周することはないだろう、どこかで電車に乗るなりするのだろう、と思っていましたが、やっぱり高野さんだけはやる気満々。
今日はレンタカーを借りて一周するのもいいのではないか、ここで折り返した方が身のためですよ、と冗談っぽく、しかし必死に、高野さんを説得しますが、笑いながら一切を拒否されました。
高野さんは冗談を言うのが上手い方のようです。
再出発するも、ご飯を食べて乳酸が全身に回りきった一行の足取りは重く、全然進みません。
雰囲気はなかなか悪くなり、口数が減っていきます。
あぁ儚き楽しきサイクリング…
スポーツとは対戦形式でなくても戦いなのです。
途中、高野さんのママチャリはどれぐらい漕ぎ辛いものなのかと乗りましたが、ものの五分でギブアップ。
なぜあのスピードを出しながら平気な顔をしていられるのか、本当に謎です。
そうして再出発から一時間後、ついにKさんの心が折れました。
ロードバイクを購入したばかりで乗り慣れていないKさんは、ロードバイク特有の硬いサドルにお尻をやられてもう心身ともにボロボロでした。
引き返すのももう嫌だ、ということで電車で帰ると言い出しましたがしかし体力魔人の高野さんが引き止めます。
Kさん「琵琶一諦めて帰ります。」
高野さん「いやいや、まだいけるでしょう?」
Kさん「ちょっとお尻痛いんで無理です。」
高野さん「Kさん、帰るまでが琵琶一ですよ?」
Kさん「わかりました、じゃあ電車で帰ります。」
※琵琶一とは琵琶湖一周の略。
このままでは確実に痔になる、という言葉に流石の高野さんも折れたようで、Kさんの脱落が決定しました。
この時点では僕もちゃっかりKさんに着いて行って帰るつもりでした。
自転車を持って電車に乗るためには、解体して何かしら袋に入れなければなりません。
準備万端過ぎる一行は誰一人そんな解体用具も袋もなく、とりあえずスポーツ用品店を巡ります。
けれども普通のスポーツ用品店にはサイクリング用品なんて置いていないようで
Kさん「サイクリング用品ってありますか?」
店員「うちには無いんです、すみません」
僕「サイクリングは・・・スポーツじゃ・・・ない?」
店員「はい」
僕「あ、はい」
という問答を繰り返します。
結局脱落を決意してから2時間ほど自転車でウロウロして彦根(琵琶湖一周の三分の一)まで辿り着き、巨大なスポーツ用品店でロードバイク用の袋(4000円)を発見。
Kさんは迷わず購入。
僕はというと、
(妙に高い。足元見やがって…(?)。お金も無いし仕方が無い、諦めて琵琶湖一周するか…)
という結論に達し、Kさんに着いていくのを諦めて高野さんがママチャリで本当に一周するのかを見届けることにしました。
ロードバイク初回に琵琶湖は間違いだったんだ…という言葉を残して去っていくKさんとお別れしたのが16時。
さて、延長戦開始です。
もう当初の和やかなムードは微塵もなくなり、果たして帰れるのだろうかという絶望ムード漂う二人。
急がないと日が暮れて危ないし、体力モンスター高野さんは次の日の12時に予定(デート?)があるらしいということで急ぎます。
このままの速度では不眠不休でもその約束に間に合うか怪しい。
え、行ける気なのその予定、この人ひょっとして馬鹿なのか!?と心から思ったのは内緒です。
しかしそこからの数時間で琵琶湖を完走できるわけもなく、あえなく日没。
綺麗ですね、憎らしいです。
あとはもうただの琵琶湖との耐久戦。
日中は暑かったのに日が暮れると同時に急に寒くなり、僕らの体力をゴリゴリ削っていきます。
100均一で買ったカイロを握りしめながらただただ暗闇を走ります。
あとはもうダイジェストで。
寺師、前日の徹夜麻雀の疲れで仮眠18時、
完全日没19時、
鹿が出るらしい暗闇を走った20時、
星が綺麗で立ち止まった21時、
折り返し地点ぐらいに22時、
どこかで銭湯に23時頃入り、
コンビニで買った充電池も切れて絶望の0時、
白髭神社の階段で仮眠した午前1時、
地図も無く迷いまくる午前2時、
生きるための牛丼を食べた3時、
自転車通行禁止の道を教えられた4時、
決して書くのに飽きたわけではないですよ?
走るのに必死すぎて詳細を覚えていないのです!
一つ明確に覚えているのは、狭い道で運送会社のトラックが横を通る度に風圧に煽られてハンドルを持って行かれるということでした。
そもそもトラックに轢かれそうだし、よろけて車道に出れば後続の車に轢かれるし、転ければ足でも折れて街まで辿り着けない…
一台通る度に三度死を意識しました。
そうして気付けば見覚えのある景色に。
呆気なく一周が終わっていたようです。
二人には一周完遂を喜ぶ体力すら残っておらず、ただただ帰れることを噛み締めます。
しかし最後に待ち受けるは地獄の山登り。
越えれば帰れる安堵感からか変な笑いを浮かべながら最後の力を振り絞り立ち漕ぎダンシング。
あまりのきつさに目が霞みます。
なんとか京都の清水五条に着いたのが午前5時半。
無事(?)に琵琶一完遂です。
高野さんはさらにそれをママチャリで、という偉業を成し遂げました。
別れ際はせめてクールに、と思い大した会話も無いまま散り散りになり、
帰宅。
泥のように爆睡。
もう二度と琵琶湖一周はしません。
そしてしばらくの間僕のお尻から血が出ましたとさ、おしまい。
ちなみに体力spookyの高野さんは次の日きっちり美術館デートに行ったらしいです。