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スプーキーズの中の人が徒然なるままに、垂れ流します。

民俗学入門

ロック です。

民俗学が最近のマイブームです。 今回はそんな民俗学をご紹介できればと思います。

※筆者は専門家でも熱烈な愛好家でもなく、ただの一般素人市民です。

民俗学とは



まずは、wikiさんに聞いてみましょう。

民俗学(みんぞくがく、英語: folklore studies または folkloristics)は、学問領域のひとつ。高度な文明を有する諸国家において、自国民の日常生活文化の歴史を、民間伝承をおもな資料として再構成しようとする学問で、民族学や文化人類学の近接領域である。

引用: 民俗学 - Wikipedia

もっと噛み砕きますと、「昔のよくわからないことを資料から類推しよう」というのが民俗学です。

通り魔


例えばですが、通り魔って言葉を皆さんも聞いたことがあるかと思います。 では、この言葉の由来をご存じでしょうか。

由来なんて言ってもそんな昔からあるし、何より言葉だからそんなことわからないよって思うでしょうか。

そう、確かなことなんてわからないのです。 でも、もしかして関係してるんじゃないか? そういう言葉が日本には存在します。

「通り悪魔」

これは日本の妖怪の名前です。 ちなみに、『世事百段』『古今雑談思出草紙』に登場するようです。

この妖怪は、気持ちがぼんやりとしている人間に憑依してその人の心を乱す妖怪だと言われています。 つまり、現代で言う「通り魔」的な犯罪を昔の人は「通り悪魔がその人に憑依したから犯罪を犯したのだ」という言うに解釈していたことが分かります。

従って、「通り魔」の由来はと聞かれたら、それは「通り悪魔」という妖怪だ、という風に答えて良さそうだということになります。

これが民俗学的に「通り魔」を解釈するということです。

桃太郎はなぜ桃?


例えばですが、桃太郎という童話を皆さんはご存知かと思います。 では、なぜ桃なのでしょうか。

これも民俗学的に、つまり現存する資料から類推すると、以下のような話を持つ一冊の本に辿り着きます。

「鬼に追いかけられる物語の主人公は、桃の木の実を投げて追手を退けた」

これは『古事記「黄泉比良坂」』のお話になります。 ちなみに物語の主人公はイザナミです。

つまり、鬼は退治するのは「桃」だったわけです。 ちなみになぜ桃だったのかを深追いすると、桃が中国では不老長寿の果物であることが考えられそうです。

桃太郎はリンゴやみかんでは絶対にだめで、桃でなければならなかったのです。

民俗学入門



「通り魔」や「桃太郎」、これらを見て民俗学という学問に興味を持たれたのではないでしょうか。

そんな方に私からささやかな情報を提供したいと思います。

民俗学の登場人物


民俗学について調べると、必ず遭遇する2人の人物が存在します。

  • 柳田國男
  • 折口信夫

民俗学の発展に2人は欠かせない存在だったと言えるでしょう。

柳田國男

『遠野物語』で有名な日本民俗学の開拓者です。

大体この人が調べてます。 桃太郎についてもこの人は調べてます。

1875年 ~ 1962年の方で、森鷗外さんとも交流があったようです。

この人は最強です。

折口信夫

柳田國男さんの弟子で、「折口学」と呼ばれる研究で、民俗学の基礎を築いたとされています。

私自身それほど詳しくありませんが、折口さんの思想の1つに「まれびと」というのが存在します。 これは「外部からの来訪者」を意味します。

村に住む人々は外部から来た「まれびと」を神と崇め、祭りを行うことで人々を祝福してくれるのだ、そう考えたのだと折口さんは言っています。 こうした異界(外部)から来た神として崇める信仰を「まれびと信仰」と呼びます。

この「まれびと」を定義することで、集落の小さな祭りや風習を読み解こうとしたのです。

日本と中国と仏教


基本的には日本について調べることを想定しますが、この時に日本だけでは解決が難しい場合があります。 例として挙げましたが、桃太郎の桃も中国まで遡らないと判然としませんでしたね。

日本についてわかるのは『古事記』が最も昔です。 古事記は712年に編纂された日本最古の書物として有名ですね。

この古事記の中を読み解くと500年前後の話や日本神話の話なんかが乗っていて、民俗学には欠かせないものとなります。 しかし、この古事記に影響を与えたのは紛れもなく「中国」や「仏教」ということが次第に分かっていきます。

もしも、日本について調べるならば、日本だけでは足りないでしょう。

終わりに。



こうした民俗学は歴史を紐解くような楽しさがあると思います。 また、身近な事柄の知らなかったことも民俗学的に明らかにすることが出来るのだと物語っています。

皆さんも民俗学の扉を、トントン、と叩いてみてはいかがでしょうか。 きっと驚きと不思議が皆さんを歓迎してくれることでしょう。

f:id:ishiyamacocoa:20180821212544j:plain ↑これは伏見稲荷神社